効果的な身体活動量の求め方-メッツ(METs)とカロリー計算-

日本だけでなく、世界でも「身体活動は心身の健康にいい!」といわれています。でも、効果的な身体活動量とは、どのくらいなのでしょうか。運動強度の単位であるメッツ(METs)を用いると、それぞれの効果的な身体活動量を求めることができます。身体活動量がわかれば、ダイエットに関係のある、消費カロリーも簡単に計算できます。

メッツ(METs)とは

運動の強さを表すとき、心拍数や「ややきつい」などの主観的運動強度、酸素摂取量などが用いられています。最近よく使われるのが「メッツ」で、メッツ(METs)とは身体活動の強度を表す指標の1つです。心拍数のように個人によって異なるのではなく、それぞれの動作や運動種目によってメッツの値が決まっています。安静時、座っている状態が1メッツです。安静時の何倍のエネルギーを消費するかで、身体活動の強度を示します。

専門的には「代謝当量」といって、安静座位時の酸素摂取量(1分間に体重1 kgあたり3.5mlの酸素を摂取している状態)を1メッツとして、身体活動時の酸素摂取量が安静時の何倍に相当するかで「メッツ」の値が示されています。身体活動が激しくなるほど、より多くの酸素を摂取し、強度すなわちメッツの値が大きくなります。基本となる歩行は3メッツで、安静座位時の3倍の運動強度となります。

【メッツの説明】

メッツ(METs:metabolic equivalents) 「運動の強さの単位」 座っている状態が1メッツ 。
身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかで表す単位。

代謝当量(METs)= 運動時酸素摂取量 ÷ 安静時酸素摂取量。
身体活動時の酸素摂取量が安静座位時(3.5ml/kg/分=1MET) の何倍かを表している。

移動運動のメッツ

日常生活の中で移動するときも、少し速く歩いたり、階段や坂道だと運動の強さ「メッツ」が変わります。歩行のスピードを上げたり、急いで走る、階段を駆け上がる等をまとめました。

  • 3.0メッツ: 普通歩行(平地、67m/分)
  • 3.5メッツ: 歩行(平地、75~85m/分、ほどほどの速さ、散歩など)
  • 4.0メッツ: 階段を上る(ゆっくり)
  • 4.3メッツ: やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)、
  • 5.0メッツ: かなり速歩(平地、速く=107m/分)
  • 6.0メッツ: ゆっくりとしたジョギング
  • 6.5メッツ: 山を登る(0~4.1kgの荷物を持って)
  • 7.0メッツ: ジョギング 7.3 山を登る(約4.5~9.0kgの荷物を持って)
  • 8.8メッツ: 階段を上る(速く)

身体活動量とカロリーの計算式

身体活動量は、身体活動の強度「メッツ」と行った時間の合計「時間」をかけてとして求めることができ、「メッツ・時」で表されます。また、この身体活動量(メッツ・時)が分かれば、エネルギー消費量(kcal)も簡単に求めることができます。

身体活動量の求め方
身体活動量(メッツ・時)= 身体活動の強度(メッツ)× 時間(時)

カロリーの求め方
エネルギー消費量(kcal))= 身体活動量(メッツ・時)×体重(kg)×1.05
*1.05ではなく1で簡易に求めることも多い

【例題1】 70㎏の人が歩行(3メッツ)を30分(0.5時間)行った場合

  • 身体活動量:3メッツ×0.5時間=1.5メッツ・時
  • エネルギー消費量:1.5メッツ・時×70kg×1.05=110.25kcal

【例題2】 70㎏の人が荷物(4㎏)を持って、かなり速く(5メッツ)30分(0.5時間)歩いた場合

  • 身体活動量:5メッツ×0.5時間=2.5メッツ・時
  • エネルギー消費量:2.5メッツ・時×74kg×1.05=194.25kcal

仕事で重い荷物を持って、急いで移動したり、階段を上るときは、体重に荷物の重さも加わるため、消費カロリーが大きくなります。単なる移動も考え方により、健康づくりの運動としてとらえることもできるのではないでしょうか。

効果的な身体活動量

生活習慣病等を予防するためには、どのくらいの身体活動量を行えば効果的なのでしょうか。メッツを用いた、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準」を紹介します。

【18歳~64歳】

  • 3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分 (=23メッツ・時/週)
  • 歩行以上の強度の身体活動を毎日60分
  • 3メッツ以上の強度の運動を毎週60分 (=4メッツ・時/週)
  • 息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分

【65歳以上】

  • 強度を問わず、身体活動を毎日40分 (=10メッツ・時/週)
  • 高齢者は強度を問わず、身体活動を毎日40分 可能であれば歩行以上の強度が望ましい

  • 今より少しでも身体活動量を増やす (例えば10分多く歩く)
  • 運動習慣を持つようにする (30分以上の運動を週2日以上)

身体活動量は個人差が大きいですので、運動不足の人がいきなり目標を達成するのは難しいです。「汗をかく程度の運動」も季節や個人差があります。日本の身体活動基準を目安に、自分に合った方法で、今よりも少し多く体を動かすことが大切です。

参考文献
『健康づくりのための身体活動基準2013』(厚生労働省, 2013)
『健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)』(厚生労働省, 2013)

おすすめ本

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ARuku編集部

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