生活環境の変化による運動不足-新たな時代に対応するために-

生活環境が大きく変化し、体を動かさない生活様式で、運動不足の人が増加しています。新たな時代にどのように対応すればいいのでしょうか。

生活環境の変化による運動不足

  • 最近、あまり歩かなくなった。
  • 外出を控えるようになって足腰が弱くなった。
  • ほとんどパソコンの前に座りっぱなしで、体を動かさなくなった。
  • 運動不足で太ってしまった。体力が落ちた。
  • スポーツで汗をかいたのはいつのことだろう。など

スポーツジムや体育館で気持ちよく体を動かし、何も気にせずに大勢の人とスポーツを楽しんだり、友人と外出してリフレッシュすることが、当たり前ではない時代がくるとは、想像もしていませんでした。コロナ禍で生活環境が大きく変化しても、置かれた環境の中で自分にあった運動を見つけて日常生活に取り入れることが望ましいのですが、なかなか難しいのが現状です。

話が大きくなりますが、人類は環境に適応し進化してきました。ヒトは運動能力を身につけ自然環境に適応してきました。そして、自然環境から快適で便利な人工環境・オンライン環境へ。走って獲物を捕まえていた狩猟時代から、体は動かさなくてもインターネットで食料を調達できる現代社会へ。本来、動くことで維持し活性化される私たちの身体は、ここ200年ほどで激変した、便利で動かない生活環境についていけず、脳や身体、筋肉など様々な機能に影響が出ています。現代社会の心や体の不調や不健康は、身体を動かさなくなったことが大きな原因と考えられるのではないでしょうか。

運動不足が社会問題に

これは国内外問わず、子どもから高齢者までの共通課題です。発育発達期の子どもたちが体を活発に動かせない、在宅ワーク・オンライン授業で運動不足・座りすぎになる、高齢者が自粛生活で筋力が衰えて転倒・寝たきりになる状況が見受けられます。体を動かさないことは、身体だけでなく、脳や心の健康に弊害をもたらします。世界でも身体活動不足が大きな問題となっています。

新たな時代は逆戻りすることなくオンライン環境が進み、ますます便利な体を動かさなくてもすむ生活環境となっていくでしょう。また、2020年からのコロナ禍による生活環境の変化により、「歩く」を含む身体活動不足がさらに大きな社会問題となり、そのような時代への対応が国内外で急務となっています。しかし、人類は環境に適応し進化してきました。長時間外出できないという歴史的にあまり遭遇しない状況下でも、多くの方が試行錯誤しながら体を動かす努力をされ、その活動が新たな時代の健康づくりに役立ち始めているのも事実です。

いつまでも元気で健康的な毎日を送るためには「体を動かさないですむ生活環境」になっていることを意識して、普段から積極的に体を動すことが、新たな時代に対応していくために必要不可欠だと思います。

新たな時代は、よく体を動かすことが必須課題

歩行開発研究所 所長

著書「見直そう!歩き方」より一部抜粋

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