座りっぱなしは健康に悪い-今日からできる!職場・家での対策-

座りっぱなし

最近、在宅ワークやデスクワークなどで、長時間座っていませんか?
肩こり・腰痛がひどい、おしりが痛い、体がだるい、足がむくむ…

同じ姿勢でずっと座り続けていると、体と心に悪い影響を及ぼすだけでなく、寿命が短くなるとまでいわれています。座りっぱなしは健康リスクを高めます。しかし、仕事中なかなか動けない方も多いと思います。そのような環境でもできる効果的な「座りすぎ対策」の5つのポイントをご紹介します。

世界一「座りすぎ」の日本

みなさんご存じですか。オーストラリアの研究調査によると、2011年時点で日本人が平日座っている時間は、1日7時間といわれています。これは、世界20カ国中でもっとも長いです。「座りすぎ」は肥満や糖尿病だけでなく、高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、ガンなどの病気も誘発し、死亡リスクを上げることが明らかとなっています。

座りっぱなしが命取りに?

1日の座っている時間が4時間未満の人に比べて、8~11時間の人は15%、11時間以上の人は40%死亡リスクが増えると報告されています。このリスクは、WHOが推奨する運動「1日30分以上のウォーキングなどを週5日」実施しても解消できないそうです。

また、テレビを1時間座って見続けるごとに、1日22分ずつ平均余命が短くなるという報告もあります。パソコンの前に座り続けていたり、車で長時間運転している場合もあてはまります。しかし、長時間座る習慣のある日本では、「座りすぎは健康に悪い」という認識があまり広まっていないため、その対策が急務となっています。

座りすぎが原因⁉

日ごろ感じている体や心の不調は、もしかしたら座りすぎが原因かもしれません。次のような症状はありませんか。

【身体的な症状】

  • 肩こり、腰痛
  • 首・背中の痛み
  • 足腰の筋力低下
  • 消化不良、便秘
  • 体力の低下、疲れやすい
  • むくみ、血流が悪くなる
  • 心疾患、2型糖尿病のリスク増加
  • 代謝機能の低下、体重増加・肥満  など

【その他の症状】

  • 認知機能の低下
  • 脳機能の低下、頭がぼーっとする
  • 気力の低下、メンタルヘルス不調
  • やる気が出ない、やりがいを感じない
  • 仕事のパフォーマンスや生産性が低下する  など

座りすぎ対策

座りすぎ対策

座りっぱなしの状態では、下肢の筋肉をほとんど使わないので、血流が悪くなり健康リスクを高めます。そこで、筋活動が活発になる「5つの運動ポイント」をまとめました。日常に取り入れやすいものから実践し、自分に合った「座すぎ対策」を見つけてください。

① 座ったまま、体を動かす(上半身)

例: 手を組んで上にのばす、肩の上げ下げをする、首・肩を回す、腰をひねる
効果:血流改善・筋肉疲労改善・心身のリフレッシュ

② イスを使って、体を動かす(下半身)

例: 座ったまま膝をのばす、つま先・かかとの上げ下げをする
効果:足腰の筋力強化・血流促進・筋活動アップ・転倒予防

③ イスから立ち上がる

例: こまめにイスから立つ、立って背伸びを何度もする
効果:歩行に必要な筋力強化・姿勢改善・筋活動アップ

④ 立つ・歩く(基本編)

例: 姿勢を良くして立つ、トイレに行く、書類を取りに行く、できるだけ歩いて移動する
効果:足腰の筋力強化・筋活動アップ・健康の維持増進

⑤ 立つ・歩く(応用編)

例: 速歩きをする、階段をつかう、坂をのぼる
効果:足腰の筋力強化・筋活動アップ・健康の維持増進

座りすぎによる健康リスクを軽減するには、こまめに立って体を動かすことが大切です。長い時間、座り続けて、まとめて体を動かすのではなく、座っている状態から立ち上がり、歩いて、ちょっと体を動かしましょう。立ち上がれないときは、座ったままできる運動を取り入れてみましょう。

参考文献
『「座りすぎ」が寿命を縮める』(岡 浩一朗著, 大修館書店, 2017)
『ケリー・スターレット式「座りすぎ」ケア完全マニュアル』(ケリー・スターレットほか著, 医道の日本社編集部訳, 医道の日本社, 2019)

おすすめ本

書籍「見直そう!歩き方 STOP!運動不足・座りすぎ・転倒」

さらに、詳しく知りたい方におすすめ!イスを使ったストレッチ・筋力アップ体操、立つ・歩く基本運動を、イラスト・図表でわかりやすく解説しています。世界の「座りすぎ対策」も紹介していますので、職場や地域の健康づくりに、ぜひお役立てください。

ARuku編集部


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