運動不足は心と体に悪影響を与える-今から体を動かそう-

最近、コロナ禍での自粛生活や在宅ワークで一歩も外に出なかった、仕事でずっと座りっぱなしで腰が痛くて伸ばせない、すぐイライラしてしまう、階段で息切れする、体が重くていつも疲れている…など、いつの間にか体を動かさない生活になっていませんか? 運動不足は心と体にどのような影響を与えるのでしょうか。

運動不足が問題になっている

運動不足により、生活習慣病・がん・認知症など、さまざまな疾病を引き起こすことは以前から報告されています。心筋梗塞や脳卒中など命にかかわる疾患につながり、死亡リスクが高まります。運動不足がもたらす影響についてまとめました。

運動不足が心身に及ぼす7つの影響

  1. 脂肪の蓄積 → 肥満・高血圧・脂質異常症
  2. 心肺機能の低下 → 息切れ・脈拍増加
  3. 筋肉の萎縮 → 腰痛・膝痛
  4. 脳機能の低下 → 認知症
  5. 糖代謝機能の低下 → 糖尿病
  6. 骨密度の低下 → 骨折・骨粗しょう症
  7. ストレス耐性の低下 → 情緒不安定
運動不足の影響


厚生労働省「健康日本21(第二次)」の資料によると、日本では運動不足による死亡者数は、喫煙、高血圧に次ぐ第3位でその数は年間約5万人であることが発表されています。

運動不足によって体力が低下するとあまり体を動かさなくなります。さらに、筋力や持久力が低下して、ますます体を動かさなくなります。筋力が低下すると、今は大丈夫ですが、高齢になるほど、仕事・家事・外出など自由に行動できなくなります。体力だけでなく、感情や認知機能にかかわる脳の機能も低下し、心の健康・メンタルヘルスにも影響を及ぼします。

運動習慣をつけるのは難しい

運動不足は健康に悪影響を及ぼしますが、日本の働き盛りの方にとって、運動を習慣化することは、なかなか難しいようです。

健康日本21では、60歳未満の働く世代の7~8割の方は、運動習慣がないと報告されています。ちなみに、運動習慣者とは「1回30分以上の運動を週2回以上実施、1年以上継続している者」と健康日本21では定義されています。在宅ワークやオンラインで働き方が変わる今、かなり意識して日常生活に運動を取り入れなければ、ますます運動不足の方が多くなってしまいます。

また、「国民健康・栄養調査」(2019)によると、運動習慣がある人の割合は約3割です。この10 年間でみると、男性はあまり変化がなく、女性は減少する傾向にあります。運動習慣者の割合が最も低いのは、男性は40歳代、女性は30歳代です。仕事や家事・育児で忙しく、運動を続けるのがなかなか難しいのかもしれません。

運動習慣をつけるにはーできることから始めようー

では、どうすれば運動習慣をつけることができるのでしょうか? 運動は健康にいいとわかっていても、何から始めたらいいか分からない場合は、次の3段階にわけて、運動不足を解消する方法を考えてみましょう。

  1. 日常生活の中でこまめに動く:立ち上がって移動する、速歩きをする、階段をつかう
  2. 家で体を動かす:ストレッチ、スクワット、背伸び
  3. 外で活発に運動する:ウォーキング、スロージョギング、サイクリング

運動不足だからといって、いきなり走ったり、ハードな筋力トレーニングをすると、ケガのリスクや精神的な負担が大きくなります。長期にわたって運動を続けるには、まずは今よりも10分多く体を動かし、少しずつ運動を習慣化することが大切です。現在のライフスタイルと体力から、自分に合った運動をみつけ、体を動かす「新しいリフレッシュ生活」をスタートしましょう。

運動習慣をつける

体を動かす「新しいリフレッシュ生活」スタート!


参考文献
『健康づくりのための身体活動基準2013』(厚生労働省, 2013)
『健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料』(厚生労働省, 2012)
『国民健康・栄養調査(令和元年)』(厚生労働省, 2020)

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ARuku編集部
 

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