身体活動とは何か-効果と身体活動を増やす方法-

身体活動とは

「身体活動」とは、安静にしている状態よりも、多くのエネルギーを消費する全ての動作のことをいいます。専門的な説明を加えると、骨格筋の収縮を伴い、安静時よりも多くのエネルギー消費を伴う身体の状態のことを示します。安静とは、寝ている状態ではなく、デスクワークや勉強をしているときのように、座っている状態を表します。

運動と生活活動

「身体活動」は、「生活活動」と「運動」の2つに分けられます。

生活活動:日常生活における労働、家事、通勤・通学など

歩く、自転車に乗る、階段を使用する
掃除・買い物などの家事、犬の散歩、子どもと遊ぶ、介護、仕事での活動など

運動:体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施し継続性のある活動

ウォーキング、スロージョギング、サイクリング、トレーニングやエアロビクス、スポーツなど

【図の説明】
1番エネルギーを使っていないのは「睡眠」寝ている状態です。次にエネルギーを使っていないのは「安静」横になる、座っている状態です。「生活活動」は家事、労働、通勤、趣味、日常の歩行(買い物や通勤の移動)などが含まれます。運動は、意識的に行うスポーツやトレーニング、ウォーキング(日常歩行よりも積極的に筋肉を使う運動としての歩行)などが含まれます。「身体活動」とは、「生活活動」と「運動」のことです。

身体活動 = 生活活動 + 運動

身体活動を増やすメリット

身体活動(生活活動・運動)に取り組むことで、メタボリックシンドロームなど循環器疾患・糖尿病・がんといった命に関わる生活習慣病の発症を予防することができます。

身体活動を増やすと

  • 生活習慣病の発症予防
  • 生活習慣病が原因による死亡リスクの低減
  • ロコモティブシンドローム・ 認知症をきたすリスクの低減

さらに運動を習慣化すると

  • 疾病に対する予防効果をさらに高めることができる
  • 高齢者は自立した生活をより長く送ることができる

身体活動はメンタルヘルス不調の一次予防にも有効です。運動をすれば気分が爽快になります。さらに、近年の研究から、ストレス・うつ・不安が軽減され、思考力・集中力・記憶力・創造性などの認知能力が向上することが明らかになってきました。体を動かして、脳を活性化させる重要性も指摘されています。

日常生活で身体活動を増やすには

では、どうすれば身体活動量を増やすことができるのでしょうか? まずは、日常生活の中で、体を動かす機会を見つけ、少しでも体を動かしましょう。

今よりも10分多く、歩いて身体活動を増やす

まずは、いつもより10分(約1000歩)多く、からだを動かしましょう。
今より1日10分(約1000歩)多く体を多く動かすだけ、死亡・生活習慣病・がんのリスクを3~4%減らせることから、厚生労働省の「アクティブガイド」では、「+10プラステン」を勧めています。
速歩き、自転車での移動、ながらストレッチなど、無理なくできる身体活動から始めましょう。

参考文献
『健康づくりのための身体活動基準2013』(厚生労働省, 2013)
『健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)』(厚生労働省, 2013)
『健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料』(厚生労働省, 2012)

おすすめ本

書籍「見直そう!歩き方 STOP!運動不足・座りすぎ・転倒」

日常生活の中で、意識して歩き方を変えることで、普段よりたくさん筋肉を使って身体活動量を増やすことができます。この本では、筋電図的研究をもとに、身体活動を増やす効果的な歩き方のポイントを紹介しています。また、日常生活に取り入れられる運動も提案しています。
職場や地域での健康づくり・転倒災害防止・ウォーキング推進に!

ARuku編集部

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